〜スポーツ観戦記〜

スポーツ観戦記です。空手、柔道、野球などなど。素人の視点から思ったことを書いてます。。。

感謝の気持ちを忘れずに

来月、宇和島東の宮本選手が畳から去る。

最後の大会に向けて「自分の柔道を貫き通し、精いっぱい悔いのない試合をしたい」と力強く語る彼女に、これまでのことや柔道への思い、今後について聞いた。

 

○県大会初入賞で初優勝

柔道との出合いは、保育園の頃。母に連れられて柔道会へ見学に行った。小学校に入学し一度やめたが、4年生の夏、再び母に連れられて柔道会に行き、再開することになった。当時は別の競技に力を入れていたので、柔道会は休みがち。

「中学校では、柔道をするつもりはなかったですが、母の強い意向で柔道部に入部することになりました」

入部後も熱意はなく、初戦敗退が続いた。だが中学2年の冬、県ベスト4に入った。コーチに『最後の県総体は優勝も狙えなくはない』と激励され「やってやろうという気持ちになりました」

 

そして迎えた中学3年の県総体個人。1勝2敗と負け越しているライバルとの決勝。指導1を取られていたが、試合時間残り2秒で有効を奪って逆転勝ちした。県大会初入賞で初優勝という劇的な結果に「鬼のように厳しかったコーチ、顧問が自分の嬉し涙でもらい泣きしてくれたのが嬉しかったです(笑)」

 

○「感謝の気持ちを持つことの大切さを学んだ」

柔道を始めるまでは、嫌なことから逃げて楽な方ばかりに逃げていた。だけど柔道を続けているうちに変わった。「柔道が自分を成長させてくれた。そして始めさせてくれた母に感謝してます」「結果が出せなかったり、減量がうまくいかなかったり…辞めたいと何度も思ったが辞めなくて良かった」

 

柔道を通して学んだのは「常に感謝の気持ちを持つことの大切さ」だという。「ここまでやってこれたのは、たくさんの人に支えられていたからだと気づきました。朝早く夜遅くに送迎してくれた父、減量のサポートをしてくれた母、いつも応援してくれた祖父母、毎日稽古をつけてくれた外部コーチ、そしてしんどい時も一緒に乗り越えてきた柔道部のおかげです」

 

○後輩に思いつなぐ

今月行われた総体では、自分の柔道を出し切れず、準決勝で敗退した。全国大会に出場するという目標は叶わなかった。

しかし翌週行われたジュニア大会では、初戦敗退したものの「大学生相手に自分の柔道を出せた」と胸を張った。

 

来月の金鷲旗が最後の大会になる。今後、柔道とどう関わっていくか最後に尋ねた。

「地元のクラブには幼児から中学生まで後輩がたくさんいるので、自分の教えられることを伝えていきたい。自分も先輩にたくさん教わり、感謝しています。先輩のようになりたいです」

 

○編集後記

宮本さんの柔道を中学3年の時、そして今月上旬にあったジュニア大会で拝見した。特段うまいわけではないが、勝負勘にとても優れていた選手だと思う。また、試合を最後まで諦めない姿勢がすごく良いと感じた。記録には残らないかもしれない。だけど記憶に残る柔道を見せてくれた最高の選手だ。叶うならば、これからも彼女の柔道を見たかった。

 これまで周りの人から「たくさんの何か」をしてもらっただろう。これからは逆に宮本さんが「何かをしてあげる」番だと思う。

柔道を通して、人として大きく成長した君ならば、後輩から慕われる良い先輩にきっとなれる。感謝の気持ちを忘れず、これから始まるであろう第二の人生を楽しんでもらいたい。

まだ最後の大会はあるが、、、ひとまずお疲れさまでした。

そして、ありがとう。